本稿は谷崎潤一郎の細雪における日本の伝統的な美意識と西欧文化がどのように交錯されているのかを明らかにしたものである。それは次の三点について論ずる。まず、細雪の書かれた言語様相を同時代の標準語政策に照らし合わせてみる。外国人の登場とともに英語やドイツ語が小説に挿入されてくる多言語の空間が、物語の背景になる上方と東京の言葉のぶ つかり合いにまで及んでいることを考察した。そして、雪子を中心とする物語は純日本趣味を全面に描いているが、それは現実的に体験される要素として描写されていないことを分析した。最後に雪子が西洋文化の享受者であり、妙子が日本の伝統芸能を稽古することでうかがえるように、異なる文化は交差し融合して表われる点を明らかにした。細雪における伝統文化は過去回想または夢のなかの物語として描かれている。「純日本式の美人」のシンボルとして登場される雪子はそのイメージとは多少距離がある自我を持っている近代的な女性像である。細雪は実際現代を生きている雪子などが享受するものは西欧文化にほかならない。先行研究で強調される日本の美意識は現代性における伝統文化との調和によるもので表象されていることがわかる。
1. 서론
2. 간사이와 도쿄, 그리고 외국인
3. 일본적 여성의 근대적 자아
4. 서양문화 속의 일본 전통문화
5. 결론
(0)
(0)