動詞慣用句の特徵と用い方の制約について
On Characteristics and Restrictions of Japanese Verb Idioms
- 일본어문학회
- 일본어문학
- 日本語文學 第53輯
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2011.0587 - 102 (16 pages)
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本稿では動詞慣用句における語結合の段階や結合上に見られる形態的な特徵を考察し、その後、慣用化の度合いによる用い方の制約を檢討してみる。慣用句の槪念や意味は樣々な觀點で使われているが、本稿では宮地(1982)の分類に基づき連語的慣用句と比喩的慣用句の全てを慣用句として取り扱う立場で考察を進める。 まず動詞慣用句の形態的な特徵は複合語との相關性、格助詞の省略形と格支配現象、機能動詞結合との關係から探ってみる。そのうち動詞慣用句は複合名詞化の程度により①複合名詞化の可能な動詞慣用句、②複合名詞との間に意味のずれが生じる動詞慣用句、③複合名詞化の不可能な動詞慣用句などに分けられ、動詞慣用句は①→②→③の順序で形態上の結合度が高くなると言える。 動詞慣用句の用い方における制約においては宮地(1986)に基づきながら飛鳥(1982)、森田(1985)などの項目を選別して範列的關係による檢討を行うことにする。本稿で慣用化の度合いによる置き換えの制約として取り上げた檢証項目は、取り立ての制約、肯定․否定形の制約、命令ㆍ意志形の制約、受身の制約、使役の制約、敬語の制約、指示語の制約などの七つである。そこで一般連語句には適用可能な文法操作が動詞慣用句では制限されているのが分かる。これは慣用句が全體として一つのまとまりを成しているもので、その一部分のみ取り扱うことができないためである。また動詞慣用句の変容の大小は用い方の制約の大小に反比例することには違いがないが、その制限を受ける度合いは慣用句によって異っているのである。
1. はじめに
2. 慣用句の槪念や本稿の立場
3. 動詞慣用句の意味的ㆍ形態的な特徵
4. 動詞慣用句の用法上の制約
5. まとめと今後の課題
參考文獻
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