本稿は日ㆍ韓、韓ㆍ日対訳小説資料の会話部分をデータベース化した資料をもとに、発話末で使われる「から」の「ので、」への置き換えの可能性を通して「から」と「ので」の特徴の一部を考察したものである。 考察の結果、「から」を「ので、」に置き換えて文法的にも意味的にも問題がない場合には、疎の関係の公的場面での丁寧な言葉づかいの場合が多いことから「ので、」のほうが「から」よりフォーマル度が高いこと、また、終助詞的に使われる場合の「から」と「ので、」は本来の理由や原因を表す意味合いが薄れ、理由を提示しながら自分の意思を表す機能があることがわかった。 そして、「から」を「ので、」に置き換えて不自然である場合は、普通体の親しい関係での私的な場面で使われる「から」が多く、理由を示しながら自己の判断の入る強い意志表現、主張を表す場合が多いことから「から」が「ので、」より主観的な理由を表すという永野説が終助詞的な用法でも認められると思われる。 また、「ので」への置き換えが不可能な「から」は、ぞんざいな言い方(「んだ」)形、話者の感情を強く表す場合で、あった。この点からも「から」より「ので、」の方が、フォーマル度が高く、はっきりした理由や根拠、または、聞き手が共感できる理由や根拠を提示する場合が多いことが確認できた。
〈要旨〉
1. はじめに
2. 先行硏究
3. データの分析及ぴ考察
4. おわりに
【資料】
【参考文献】
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