アストン本『隣語大方』には、日本や中国の言語史資料では一般的には確認できない特異漢字表記語が用いられている場合があるが、この中には現代韓国語においてもその利用を確認できないものが多数ある。本稿は、このような漢字語を対象として検討した結果をまとめたものである。 特異漢字表記語には、まず誤記と見られる類いのものがある。これらには、単純誤記の他に、字形類似‧ 字音類似‧ 音形類似から来る誤記など、いくつかのパターンがあることが見受けられる。このなかで特に多いのは音形類似から来る誤記の場合であるが、これは漢字の造字原理である六書の中で形声字が多いことと関わりがあるように思われる。 また、韓国、中国、日本の三国において普通に用いられていた通用字、俗字の使用も見られる。他に、固有の韓国語と思われる語彙を漢字で表記している場合も見られるが、後者は当時の他韓国語史資料にも同じ表記が見られることから考えるに、当時の一般的な用字法であったことが認められる。 もっとも興味を引くのは、古今の中国‧ 日本の言語史資料ではなかなか確認できない漢字表記語が見受けられることである。これらには、語形そのものを確認できない場合と、語形は存在するもののアストン本での意味を確認できない場合の二つのタイプがあるが、両者とも単にアストン本だけではなく、他の韓国語史資料でも広く用いられていたことを、実例を 通して検討した。また、この類いの語彙は主に経済活動や行政関連の用語に多いことが特徴的であるとも言及した。 アストン本には相当数の特異漢字表記語が認められるわけだが、この点から考えるに、『隣語大方』を含む朝鮮資料における漢(字表記)語の研究が待たれると言わざるを得ない。また、アストン本以外の異本での様相をも検討する必要があるようにも思われる。
Abstract
Ⅰ. 머리말
Ⅱ. 誤記
Ⅲ. 通用字와 一般的 誤用
Ⅳ. 特殊 用語의 使用
Ⅴ. 맺음말
참고문헌
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