語る娘/語られる母
The Daughter Speaks/The Mother is Spoken Of: Murakami Haruki's “Aeroplane; Or How He Talked to Himself as If Reciting Poetry”
- 일본어문학회
- 일본어문학
- 日本語文學 第57輯
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2012.05273 - 290 (18 pages)
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本論文は、村上春樹の短編「飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」を、母と娘の関係性に焦点をあて、語る娘と語られる母の問題を検討する。先行研究では、「専業主婦の抑圧の構造」を持つものとして解釈されてきたのだが、重要なのは、母と娘の関係をめぐる問題であると考えられる。本作品を含めた村上作品に多く見られる特 徴として、例外はあるものの、母の存在は娘によって男性ジェンダーに語られる、という図式が挙げられることを指摘した。本作品では、「彼」は「彼女」の話を聞く者として、特権的主体を獲得していると言えるのだが、「彼女」は母との関係を強烈にアイデンティファイすることによって男をコントロールし、「ひとりごと」を言う「彼」として、「彼」のアイデンティティの一つ一つを再構築していると解釈した。このことから「彼女」が直面した母娘関係における支配/被支配の構造が、今現在の「彼女」によって、今度は異性愛間係の中で再現されていることを明らかにし、世代連鎖する権力関係の図式そのものが本作品の構造となっていることを論じた。
1. はじめに
2.「ひとりごと」をめぐる物語を駆動させるもの - 夫婦/家族の関係から母娘関係へ
3.「ひとりごと」と疑似的母娘関係の構図―異性関係に転移する母娘関係
4.「ひとりごと」と「彼女」の主体の獲得―「母と娘のプロット」から抑圧構造の再帰へ
5.「ひとりごと」と共有されるイメージ母と娘の代替としての「彼」
6. 結論
参考文献
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