金史良『草深し』論
A Study of Kim-Syaryang's ‘KUSAHUKASI’
- 일본어문학회
- 일본어문학
- 日本語文學 第58輯
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2012.08167 - 182 (16 pages)
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本論文は、草深しと関係ある韓国語紀行文山家三時間とこれを日本語に書き直した火田地帯を行くとの内容の相異、芥川賞候補作家になってから発表した草深しへの評価と作品構成との関係、「月」及びタイトルの意味を検討したものである。一つは、朝鮮人としては初めて芥川賞候補作家になった金史良であるが、草深しへの手厳しい「作品評」は紀行文火田地帯を行くに<實録風な小説>という、弁解に近い一文を書き入れたことが分った。二つは、<記録>として「前半」とエピローグとして<後半>で構成されている草深しは、作品外部世界から当時話題になっていた「白々教」事件を取り入れ、まさに<實録風な小説>としてのリアリティーを得ていることが分った。三つは、「草深し」のタイトルは植民地支配下に置かれ ている、ありのままの「民衆」すなわち原始的で未知·無知の「民衆」に喩えた、そういう彼らを描き出したことが分った。要するに、草深しは民族性を奪われんとする朝鮮民衆の層とその悲劇的な滑稽さを民衆への人間的な深い眼差しで表現しながらも、朝鮮民族への希望を捨てていなかった作品であると言える。
Ⅰ.序論
Ⅱ.『草深し』と紀行文
Ⅲ. 作品構成と『月』
Ⅳ.『草深し』と『풀이 깊다』
Ⅴ. 結論
参考文献
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