従来、被災コミュニティの復旧ㆍ復興は、自然科学系の分野、とりわけ土木工学的な知識と技術が動員されることによって、都市計画の抜本的な見直しや再開発という方向で進められてきた。このように、復興概念が土木工学的な知識と技術に依拠している限り、復興の中味も、土木工学的によりよいものを作ることに帰着する。しかし、被災コミュニティの復興には、ハードだけではなく、ソフトな面への配慮ㆍ工夫が必要だという認識が経験的には気づかれている。ソフトという言葉であいまいに表現されている経験的な知識を明確に概念化し、理論的に根拠づける作業が必要となる。そこで、本稿において、新たに提示されるのが、象徴的復興という考え方である。 象徴的復興という考え方の前提には、人びとが「これで復興したな」という実感が得られなければ、土木工学的をはじめとする客観的な基準では復興しているとみなされたとしても、復興は達成できていないという認識がある。復興は人びとの象徴的な意味体系のレベルで実現されるものなのである。それゆえ、人びとが復興感を獲得するためには、象徴的なレベルで復興を作り出す儀礼への製作論的視点の整備が必要となる。
Abstract
1. はじめに
2. 象徴的復興とは何か
3. 復興儀礼論
4. 象徴の復興
5. 象徴の両義性
おわりに
참고문헌
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