
本論文は、コンナ類がその類似形式であるコウイウ類よりも優先的に用 いられる場合について考察を行ったものである。 コンナ類が優先的に使われるのは、語りものの文脈、すなわち書き手が 一方的にテキストを作り出していく文脈の中で、書き手がすでに構想した叙述内容をより効果的に読み手に伝達するためにコンナ類を使うケースであるが、この効果的な伝達を可能にするのが、コンナ類の「まとめあげ」機能である。コンナ類には、先行文脈で示された性質ㆍ特徴を、何らかのより一般化された概念としてまとめあげるという「まとめあげ」の機能がある。この機能により「否定的ㆍ予想外」という感情ㆍ評価的意味が観察されることが多いのだが、常にこうした意味が見られるわけではない。しかし、この場合にも、まとめあげという基本的な働きは機能しているものと考えられる。先行文脈で示された性質ㆍ特徴を「何らかの」より一般化された概念としてまとめあげるという「まとめあげ」の機能の、「何らかの」という要素を利用して書き手がある種の主観的な「含み」を持たせることができるのだと思われる。その「含み」の存在により、当該テキストの展開において「意味のある」状況を表わしたり、「意味のある」起点であることを表わしたりできるのだと考えられる。
일본어요약
1. はじめに
2. コンナ類ㆍコウイウ類の機能ㆍ意味
3. 両類の使い分けに関する先行研究とその問題点
4. コンナ類が優先的に用いられる場合
5. まとめ
參考文献
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