本論文は、江戸初ㆍ中期の国学者たちがそれぞれの注釈書に盛り込まれた根本思想を探って、その推移とに関連づけ、注釈の特徴を明らかにしたものである。新注の『勢語臆断』は文献を通じての記録中心の注釈態度で『伊勢物語』の注釈を行う契冲の独自性は、新注の時代を開く注釈書として意味がある。『伊勢物語童子問』は童子の問を設け、これに対して答える形で、『伊勢物語闕疑抄』の説を正面に否定しながら注釈を進めている。古文献の実証的な研究に基づき、その方法を確立した契冲の姿勢を受け継いだ春満は、『日本紀』『万葉集』のような日本の古文献を学問の対象として指し示している。『伊勢物語古意』は『伊勢物語』の注釈史において、先行の新注を基にするとともに、真淵の独自性を見せ、国学的色彩がさらに色濃くなった注釈書として位置づけられる。以上のように、『伊勢物語』の注釈書に見える国学者たちの思想を探ることができ、江戸前期における『伊勢物語』注釈の主な傾向をある程度は究明できたと思われる。
일본어요약
1. はじめに
2. 『勢語臆断』
3. 『伊勢物語童子問』
4. 『伊勢物語古意』
5. おわりに
参考文献
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