本稿は同情の意を表す表現である労り表現の中から、副詞である「せっかく」「わざわざ」「あいにく」を取り上げ、通時的観点から分析してその特徴を明らかにするものである。考察から得た結果をまとめると次のようになる。「せっかく」の最古の用例は、「狂言」において「せっかくの」の形で現れている。当時は命令文と呼応して使われていたが、近世期になると、それが一般化され、多用されるようになる。また、現代日本語で使われているせっかく…のに「せっかく…が」の用法は、近世期にすでに定着しており、会話文で主に使用されている。一方、「わざわざ」は、現代日本語にはない「わざと」の意味合の用法が17世紀に現れている。当時、現代日本語で使われている「ついでにするのではなく、ただその事のためにだけ行う」の意味と「わざと」の二つの意味が併用して使われていたことが分かる。また、近世まで「わざわざ…のに」「わざわざ…のだから」と呼応する例はないが、当時まだこのような文型が使用されていなかったことを示唆している。最後に、「あいにく」はその成立時期が「せっかく」「わざわざ」に比べて少々遅く、用例も多くない。これは「あいにく」の語源といえる「あやにく」とも関係があると思われる。近世以前は、「あやにく」は「あいにく」の代わりに多用されており、呼応関係もすでに用いられていた。しかし、近世になると「あいにくも」使われはじめ、次第に「あやにく」が消滅し、現在の用法としての「あいにく」が定着するようになる。
일본어요약
1. 머리말
2. 조사자료 및 고찰방법
3. 현대 일본어에 있어서의 配慮表現의 사용상황
4. 고전 텍스트에 보이는 配慮表現의 사용상황
5. 맺음말
참고문헌
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