ヤタガラスは、神武天皇の東征神話のなかで、先導役として登場する鳥である。神武東征伝承で活躍したヤタガラス、すなわち「烏」は、様々な民間伝承や熊野大社の例から、古くから日本人の生活に深くかかわりを持つ鳥として認識されていて、太陽の中の三足の烏が住むという大陸からの伝承の影響もあって、だからこそ神話の中に神の使いとして大きな役割を担う霊鳥として登場するようになったと考えられる。 ヤタガラスを祖先神として奉ずる鴨氏は、大和国と山城国にわたり大きな勢力をもった豪族であった。大和盆地に新しく登場した新王権(河内王朝)は、旧豪族を吸収あるいは滅ぼして新しい政権をつくっていく中で、大勢力をもった鴨氏は無視できない存在であったゆえに、鴨氏の祖先であったヤタガラスをあげて皇祖神アマテラスと結びつけたと考えられる。しかし中国の「太陽の中に住む三本足烏」という思想が伝来してから、ヤタガラスも単なる烏ではなく、太陽との関連を考慮するようになり、それが『古事記』と違って『日本書紀』のヤタガラスは太陽神アマテラスが遣わしたと記されるようになったのではないかと思われる。だからこそヤタガラスは鴨氏から離れ、大和王権側の存在として重視されるようになったと考えられる。
일본어요약
1. はじめに
2. 古代日本の烏信仰
3. 韓中日三国の三本足烏
4. ダカキノカミとヤタガラス
5. ヤタガラスと鴨氏
6. 結び
参考文献
(0)
(0)