학술저널
本稿では、泉鏡花の初期作品のうち、「貧民倶楽部」の鏡花自筆の原稿を対象として、原稿に残されている師尾崎紅葉の添削の様相を検討し、それに基づき作品の変化の様子について考察を行った。紅葉の添削は、句読点のような語法に関する訂正から登場人物の造型や作品の構成に至るまで幅広く行われている。 内容に関する添削において目立つのは、抽象的な表現や現実性のない表現に対し、紅葉が事実でないという意味の評言を付し、削除している点である。こうした添削は、写実的描写法を追究した紅葉と、目に見えない心象や想像を描こうとする鏡花の差を克明に示しているといえよう。 また、原稿には自伝的素材や時事性の強い素材に固有の心象や想像を組み合わせることで独特の作品世界を作り出す鏡花の特徴が表れていた。かような特徴は、鏡花の後期文学の一つの方法として定着する可能性を内包したものであった。「貧民倶楽部」の原稿についての研究は、泉鏡花文学の生成を考える上で欠かすことのできない課題といってよかろう。
일본어요약
1. 問題の所在
2. 紅葉による添削のありよう
3. 初期鏡花の可能性
4. 結論
参考文献
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