本稿では、韓国ドラマ『美しき日々』の韓国語原作と日本語ダビング版を分析対象に、男女主人公(「ミンチョル」と「ヨンス」)の会話の文末におけるスピーチレベル(speech level)とヘッジ(hedge)の運用を心的距離の変化と性差という観点から考察した。ヘッジはコミュニケーションを円滑にするための方便になりえるという点からも日本語教育の現場(翻訳を含む)で実際の例と効果を示す必要がある。分析結果は次の3つにまとめられる。まず、心的距離の変化に伴って人物の基本スピーチレベルが転換後再設定されるということだ。そして、転換前のスピーチレベルと転換後のスピーチレベルの格差は韓国語の会話においてより著しく、スピーチレベルの運用における硬直度は日本語より高いことが示唆された。第二に、心的距離が拡大している区間では男性話者のヘッジの使用が著しく、心的距離が縮小している区間では女性話者のヘッジが目立った。これは、関係の変化を図りたい男性話者の積極的な行動の現れと受け取れ、架空の世界(ドラマ)におけるキャラクターの対比を際立たせる結果となっている。第三に、ヘッジの共起においては、韓国語の会話では丁寧体との共起が著しく、日本語では普通体との共起が多い。これは、ヘッジが相手へのポライトネスとしてだけでなく、発話による話者自身の負担軽減のための言語戦略として用いられたことを示唆する。こうした観点からすると、スピーチレベルの運用(選択)に悩む学習者にとってヘッジの使用は「スピーチレベルの誤った選択」による負担をある程度軽減させられる緩衝的言語戦略となると言えるだろう。
일본어요약
Ⅰ. 서론
Ⅱ. 선행연구
Ⅲ. 이론적 배경
Ⅳ. 연구의 범위와 방법
Ⅴ. 분석항목
Ⅵ. 자료 분석과 고찰
Ⅶ. 결론
참고문헌
(0)
(0)