『あひゞき』の改訳
The Retranslate of "Ahibiki" -The Relation with a Social Novel-
- 일본어문학회
- 일본어문학
- 日本語文學 第70輯
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2015.08321 - 340 (20 pages)
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『あひゞき』は初訳と改訳という二つの本文を有しているものの、主に斬 新な自然描写を獲得した初訳の延長線上に改訳は位置付けられてきた。しかし、文壇で文学の存在意義を社会との関係で模索しはじめた時期に、改訳が世に出されたことは大変重要な問題である。なぜなら原作の『あひゞき』が所収されている『猟人日記』は、ロシアの「農奴制」という社会問題を文学の領域に取り入れた作品であるからである。本稿は、『あひゞき』の改訳を当時の文壇状況と関係付けて考察を行い、さらにその関係と明治30年に再収録される『浮雲』の評価との接点を見出す試みである。これによって当時社会小説を待望する声が強まる中で、原作の『あひゞき』に対する評価軸が、自然描写から「農奴制」という社会問題へ移行しつつあることが確認できる。このような時代背景とロシアの社会小説や文学と社会との関係を強調する二葉亭の言説を照合してみると、二葉亭は原作の社会小説としての一面を見抜いていたからこそ、改訳をこの時期に出版したと判断できる。この改訳をめぐる言説群は『浮雲』に対する評価までをも、社会小説へと引き寄せたのである。
일어요약
1. はじめに
2. 初訳と改訳の差異
3. 『あひゞき』の物語の構造
4. 初訳と改訳の作品分析
5. 『あひゞき』をめぐる批評
6. おわりに
参考文献
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