テキストに第一義的に見るべきなのは、テキストがあらしめたものである。『古事記』や『日本書紀』に見る「歴史」、万葉集のしめす「歌の世界」は、現実のものとしてではなく、テキストにおいて成り立ったものとして見るべきである。そのテキスト理解の立場は、古代研究のパラダイムの見直しをもとめる。
はじめに
一. 漢字テキストへの視点
二. 方法としてのテキスト理解
三. テキスト理解がひらくもの-『古事記』の「古代」
四. 『日本書紀』の「古代」·「歴史」
五. 『万葉集』の「歌」の世界
六. 『三国史記』の「古代」
おわりに